中東における緊張が高まり、24日のアジア市場では原油価格が上昇した。
午後5時5分時点で、WTI原油先物は0.70%高の57.83ドルで取引され、ブレント原油先物は0.20%高の64.58ドルで取引された。
トランプ米大統領は週末、イラン革命防衛隊が米国のRQ-4Aグローバルホーク偵察機を撃墜した声明を発した後、イランに対し今週「更なる重大な制裁」を加えると発信した。
イランは米国の領空内侵入とスパイ行為について非難したが、米国政府は同機が狙撃された際には公空内を飛行していたと主張している。
それ以前にトランプ米大統領は、イランへの攻撃を人命に配慮する形で中止している。
トランプ米大統領は22日、報道陣に対し「相応の措置に留めたい」と述べている。
しかしながら同氏は、将来イランに対して武力行使を行う可能性を排除したわけではないと述べている。
同氏は「解決するまでいつでも交渉の席についている」と述べ、「我々は当該地域に非常に強力な軍事力を有している」と述べた。
「イランは核兵器を保有してはならないという問題で、とてもシンプルな話だ」と同氏は述べている。
米政府が、国連安保理により承認された2015年のイラン核合意からの離脱を決定して以降、両国間関係は不安定な状態が続いている。直近ではペルシャ湾の石油タンカーに対する攻撃について、米国がイランを非難しているが、イラン政府は関与を否定している。
2国間の緊張が高まった先週、WTI原油は9%高以上となり、ブレント先物は5%高となった。
また、今週後半に予定されているトランプ氏と習近平氏の対談は期待度も高く、注目が集まっている。トランプ政権が、宣言通り中国側とG20においてポジティブな交渉を行えば、原油価格は更に急速に上昇することも期待できる。