米中貿易戦争の休戦を受けてリスク選好が高まったことを背景に金価格は1400ドルを下回った。その後、本日は反発している。
米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席は貿易協議の再開で合意した。米国は中国製品に対する追加関税の先送りや、ファーウェイへの禁輸措置を緩和した一方、中国は米国からの農作物の輸入を拡大することで合意した。
トランプ大統領は「(交渉担当者は)電話でよく話している」と述べ、貿易交渉は既に再開していることを示した。また、「我々の会談よりも前から始まっていた」と発言した。
また「中国は長年有利な立場であったので、(今回の通商協議は)我々にとって有利な取引であるべきだ」と付け加えた。
しかし、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(NYSE:BAC)とモルガン・スタンレー(NYSE:MS)は、今年下半期に株式市場が調整局面入りするとの見方を示している。
「株式市場は第3四半期に高値から10%下落し、調整局面入りすると我々は予想している。米中協議再開の合意は売り材料であると考えられている」とモルガン・スタンレーのチーフ株式エコノミストであるMike Wilson氏は述べた。
バンク・オブ・アメリカのアナリストも同氏の見解に同意している。
「特筆すべき進展がなかったという事実は『労力なくして得るものなし』という我々の考えと一致している。現在の米国市場と米経済は米国側に妥協を強いるほど弱っていない」とバンク・オブ・アメリカのストラテジストは述べた。また「中国と合意に達すると予想しているが、株式市場は調整局面入りするだろう」と発言した。
米中貿易への期待感から金は値を下げて取引されていたが、本日は反発した。
日本時間午後7時49分のニューヨーク商品取引所(COMEX)における8月限金先物価格は、0.5%高の1トロイオンス当たり1396.25ドルとなっている。