[ワシントン 3日 ロイター] - 米民主党のペロシ下院議長は3日、カナダのトルドー首相と電話で会談し、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、民主党は特に執行の問題とメキシコの労働基準の施行面の問題を懸念していると伝えた。
ペロシ議長のスポークスマンが明らかにした。
会談では、米議会と米通商代表部(USTR)の交渉状況を説明。「労働基準、処方薬の価格、環境保護、具体的な執行メカニズム」が民主党の「重要な懸念事項」になっているとの認識を改めて示した。
米国、メキシコ、カナダの首脳は昨年11月にUSMCAに署名。発効には3カ国での批准が必要になるが、メキシコ議会は既に批准している。
カナダ首相官邸は「首相と議長は新協定の進展状況を協議した。批准に向けた作業が続いていることを歓迎する」との声明を発表した。
トランプ政権はUSMCAの早期批准を議会に求めているが、下院で多数派の民主党は、同党の懸念が解消されるまで手続きを進めない意向を示している。上院は共和党が多数派を占めている。
民主党関係者によると、下院歳入委員会のニール委員長(民主党)は3日の電話会議で、詳細な提案書をUSTRに送付しており、USTRの対応待ちだと発言。交渉ペースが今月加速するとの見通しを示した。
米商業会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は3日、CNBCに対し、USMCAが批准されれば、米国経済の押し上げにつながり、金融市場にも安心感が広がるとの見方を示した。
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