[リヤド/ロンドン 9日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコがリヤドにあるサウジアラビア証券取引所(タダウル)への株式上場を段階的に進めることが複数の関係筋の話で明らかになった。年内に1%の株式、来年にさらに1%を上場するとしている。
アラムコは2020─21年に株式最大5%を上場させたい考え。世界最大規模の新規株式公開(IPO)になる可能性がある。関係筋によると、アラムコはIPOに当たり、外国の証券取引所に直ちに株式を上場するのではなく、まず国内の証券取引所に段階的に上場することを計画。「年内に1%、来年にさらに1%上場することが検討されている。こうした方法の方が市場で株式が吸収されやすい」と述べた。
別の関係筋は「これまでのところ、リヤドのタダウルに象徴的に1─2%の株式を上場させることが討議されている。1%の上場は合意済みとなっている」と述べた。
この件に関してアラムコからコメントは得られていない。
アラムコは企業価値は2兆ドルになると予想。これに基づくと1%の株式の価値は約200億ドルとなる。ただアナリストの間では企業価値は1兆5000億ドルが妥当との見方が出ている。
サウジのエネルギー相に就任したアブドルアジズ・ビン・サルマン王子は9日、「アラムコのIPOをできるだけ早期に実施したい」と述べた。
関係筋によると、タダウルへの上場の具体的な時期は未定。ただ10月末にリヤドで開かれる年次投資会議で発表される可能性があるとしている。
リヤド以外にアラムコがどの証券取引所に上場させるかはまだ明らかになっていないが、ニューヨーク証券取引所への上場については、法的なリスクが多過ぎるため現実的な選択肢ではないと取締役会が判断したことが関係筋の話で明らかになっている。