[アブダビ/リヤド 10日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は10日、新規株式公開(IPO)について、まずサウジ国内でプライマリー上場を行うが、海外上場に向けた準備も進めていると記者団に語った。
CEOは、エネルギー相に就任したアブドルアジズ・ビン・サルマン王子の発言として、IPOは「間もなく」行うと述べたが、時期と上場先に関する最終決定は政府が下す、と付け加えた。
CEOは「株主が上場を決定すれば、アラムコはいつでも用意ができている。アブドルアジズ王子が昨日語ったように、IPOは間もなく行われるだろう。われわれは準備万端の状態にある」とコメントした。
アラムコは現在、IPOの主幹事などの選定を進めており、関係筋が9日に明らかにしたところによると、アラムコは国内市場での段階的な上場を計画しており、年内に1%の株式、来年にさらに1%を上場するとしている。
アラムコの新会長に今月指名されたサウジの政府系ファンドPIFトップのヤシル・アルルマヤン氏については、ナセルCEOは、金融セクターでの経験が豊富などとして歓迎の意を示した。
アラムコのIPOに向け、会長をファリハ・エネルギー相(当時)からアルルマヤン氏に交代させることで、サウジ政府はアラムコと政府との分離を図った。
だが、アルルマヤン氏が率いるPIFはムハンマド皇太子が主導する経済改革を実行する組織であり、政府と緊密につながっているため、アラムコの経営の透明性を巡る懸念は拭えず、政府による支配を警戒する投資家もいる。
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