[ニューヨーク/ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米政権は、国内のバイオ燃料消費量を押し上げるための新たな政策を近く最終決定する見通しで、4日に大統領が署名することを目指している。事情に詳しい関係筋2人が1日、明らかにした。
政府が8月、31の小規模製油所に対するバイオ燃料混合義務の適用免除を発表したことを受け、バイオ燃料の原料であるトウモロコシなどを生産する農家は反発。バイオ燃料政策の見直しは、トランプ氏の支持基盤である農業州の反発を和らげる狙いがある。
関係筋によると、トランプ政権は新たな政策を来週発表する方向だ。製油所にエタノールなどのバイオ燃料を一定量ガソリンに混合することを義務付ける再生可能燃料基準(RFS)を満たすには、バイオ燃料を購入する以外に、不足分を売買可能なクレジットで埋めることが可能。製油所はこのクレジットの上限価格を設定することを政権側に求めていたが、新たな政策に上限が含まれる可能性は低いという。
ホワイトハウスからコメントは得られていない。
環境保護局(EPA)は新たな政策の詳細や決定時期についてコメントは避け、「RFSの安定運用への最善の道筋に関して関係政府機関との協議を継続する」と述べるにとどめた。
RFSの下で企業が2020年に果たすべき義務を最終決定する期日は11月30日となっている。
トランプ大統領は9月にバイオ燃料会社の幹部や農業州および石油産出州の知事、製油所の幹部らと会合を開き、農家に既に約束したバイオ燃料に関する「巨大政策パッケージ」の細部について協議した。
RFSの下では、精製能力が日量7万5000バレルを下回る小規模製油所が、バイオ燃料混合義務の履行で重大な悪影響を受けると証明できれば、適用免除となり得る。トランプ政権は免除対象を石油大手の傘下にある小規模製油所にも拡大させてきた。
農業界は免除措置はエタノール需要を押し下げ、米中貿易摩擦による海外販売の減少で既に痛手を負っている農家に対する打撃になっていると主張してきた。