[ロンドン 13日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は13日、中国での新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年第1・四半期の石油需要が09年の金融危機以降で初めて減少する見込みと発表した。
IEAは月報で、新型コロナウイルス「COVID─19」が及ぼす世界的な石油需要への影響は甚大だと指摘。20年第1・四半期の石油需要は前年同期に比べ日量43万5000バレル減少することが見込まれ、「四半期での減少は10年超ぶり」になるとした。
また経済活動は第2・四半期から徐々に正常化すると想定し、「20年全体では、世界の石油需要の伸び見通しを36万5000バレル引き下げ、日量82万5000バレルとした。これは11年以来の低い伸びとなる」とした。
第2・四半期の石油需要の伸び見通しは日量120万バレル。第3・四半期は中国の経済刺激策を受け、石油需要の伸びが日量150万バレルに正常化するとした。
IEAは「中国は昨年の世界石油需要の伸びのおよそ4分の3を担っていた。COVID─19が発生する前は、中国が20年の石油消費の伸びの3分の1超をけん引すると見込まれていたが、今は5分の1未満になると想定している」とした。
石油輸出国機構(OPEC)が生産する石油への需要減少が予想される一方、米企業の生産量の伸びは今年後半まで影響を受けない可能性があるという。
IEAは、油田封鎖によるリビアの原油輸出減少やアラブ首長国連邦(UAE)の生産抑制により、OPECの1月産油量は09年の世界不況以来の低水準に落ち込んだとした。
また、「COVID─19が上半期に石油需要に大きな打撃を与える可能性があるため、産油国はさらなる減産を迫られている」とした。