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S&P500は11週中10週で下落
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SPXはNASDAQとRussellに続いて弱気相場入り
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ダウは20%下落まであと一歩
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ビットコインが大規模な弱気トップを完成させ、1万ドル割れを目指す
S&P500とダウ工業株30種平均の両方が先週金曜日に2020年以来最悪の週を終えた後、今週は3連休後の火曜日に取引が再開されたときに、反発する可能性がある。しかしシナリオは暗黒と破滅に満ちており、長期的な投資家の期待は極めてネガティブなもののようだが、株価は一直線に暴落するわけではない。したがって、長期的な下降トレンドの中での短期的なリバウンドを期待している。
軟調な株価指数、弱いS&P500指数のセクター
過去11週間で、SPXは10回目の下落を記録し、弱気相場に突入した。1月4日の史上最高値から24.5%下落し、「公式な」弱気相場指標とされる-20%の水準を割り込んだのだ。
ではなぜ、早ければ今週中に反発すると予測するのだろうか。全般的なセンチメントが非常に弱気な場合、売りたい人がすでに売っていることから、買い手が主導権を握っている可能性が高くなる。テクニカルもそれを裏付けている。
S&P500は、ヘッズ・アンド・ショルダー(H&S)トップの最小インプライド・ターゲットを達成した。前週、前々週はそれぞれ5.1%、5.75%下落していた。ベンチマークは200週移動平均を4.7%上回っており、週次ではまだ同様の下落余地があることを意味する。
また、このような重要なサポートは、トレーダーが互いに打ち負かそうとするため、しばしばその厳密な位置を超えて到達することがある。したがって、今週、短期的な反発がなければ、週次でもう一段下落し、その後反発する可能性がある。
先週、S&P500の11セクターすべてが下落したことは、この下落の強さを示すものであり、このことは指数が反発する素地にもなっている。
週次ベースでも、11セクター全てが前月比、過去3ヶ月比で下落している。唯一の明るい話題は、過去6ヶ月間上昇しているエネルギーセクターだ。残りの10セクターは、公益と生活必需品がの下げが一番穏やかで、一般消費財、通信サービス、テクノロジー株の下落が大きい。1年後の見通しも、6ヶ月後の見通しと同様だ。
S&P500が弱気相場に突入した。すでに低迷している他の2つの主要な米国指数-ハイテク株中心のNASDAQ 100と小型株中心のRussell 2000はそれぞれ34.2%と32.25%下落している。
S&P500と同様、NDXもH&Sのターゲットに到達し、200週移動平均を4%上回り、先週金曜日の安値ではこの重要な週平均に2%接近した。このような状況下において、NASDAQ100は、先週木曜日に11月22日の史上最高値から34.2%下落し、9月24日以来最も弱い水準となった後、金曜日には上昇がみられた。
ダウ工業株30種平均は、主要指標の中で唯一、下落トレンドの開始以来、まだ反転パターンを示していない。テクニカル・チャート上では、レンジを形成するための供給を相殺する需要がないようにみえるため、同指数は、まだ弱含みをみせる可能性がある。
また、ダウは金曜日に下落チャネルを下回り、さらに弱含みとなり、今後の急落を示唆している。
しかし、同指数は米国の主要株価指数の中で唯一弱気相場に入っていないが、弱気相場入りはすぐ目前だ。金曜日に1月5日の史上最高値から日中19.7%下落し、2020年12月1日以来の安値に落ちた。200週移動平均から1%上昇し、終値はその2%上で引けている。
NASDAQ100に次いでパフォーマンスが悪いのはRussell2000である。テクノロジー株が売られる一方で、利上げによる資金調達コストの上昇で株価は割高感が強く、米国内小型株は、金利上昇にもかかわらず利益を伸ばし続ける可能性が高い多国籍企業より不利な状況となっている。
木曜日の安値時点で、Russell 2000指数は11月8日の史上最高値から32.35%の下落を記録し、2020年11月以降の上昇分をすべて帳消しにした。同指数は、すでに200週移動平均を割り込んだ唯一の指数である。ギャップ・ダウンし、それを突き抜けて下落したのだ。
現在のFRBの量的引き締めサイクルは、テクノロジー株と小型株を等しく圧迫している。この正の相関は、ナスダック100とRussell 2000が共に上昇した金曜日にみられた。
テクニカル的には、株価は長期的には下落トレンドの中で下がり続けるという事実とともに、FRBは今後も引き締めが続くことを示唆している。実際、今週水曜日、FRBは金利を0.75%引き上げ 、1994年以来最も大幅な利上げとなった。
結論:金利低下、または安定的な金利環境を受けて、最終的に無限の株式の押し目買いの機会になると思われた量的緩和策が終わり、今日の投資家の多くは損失を被っている。
しかし、この状況は明らかに変わりつつある。
米国債利回りも、ベンチマークである米国10年債利回りを含めて上昇し、週の半ばには2010年以来の高水準に達した。先週金曜日の金利は、週次の高値を大きく下回ったものの、2018年以来の高水準で取引を終えた。
この動きは強力なシューティング・スターを作り出し、その上シャドウは極めて長く、利回りがいかに後退したかを示している。利回りとその債券価格が負の相関関係にあることを考えると、強気派が弱気派の前進を押し戻したことを意味する。
利回りの低下は、少なくとも短期的には株式への圧力を和らげ、先に述べた短期的な株式の反発の根拠を強めるだろう。しかし、長期的にみれば、利回りは上昇トレンドにある。最近、50週移動平均が200週移動平均を超え、週足でゴールデン・クロスが発生した。これが起きたのは2017年8月で、わずか1カ月で利回りが1%ポイント近く急騰した。
ドルは3週続伸し、週次では2002年12月以来の高値となった。一方、同時期に金は下落し、上昇は2日間で終わった。
金は週明けも下げ、200日移動平均を下回る水準に沈んだ。さらに、50日移動平均が100日移動平均を下回るクロスとなっている。
2021年3月安値からの上昇トレンドラインと2022年3月高値からの下降トレンドラインの間に挟まれた状態が続いている。長い方のトレンドラインが優勢であると考えており、それによって金は下降トレンドラインを通って上昇することになる。
ビットコインは、土曜日に2万ドルを割り込んだ後、18,000ドルに向かって下落している。
暗号資産は、先週200週移動平均を下回り、ついに年初から予想していたダブル・トップを達成した後、2020年12月以来の安値を記録している。現在、ビットコインは1万ドル以下に急落すると予想している。
原油は金曜日に110ドルまで急落し、3月以降で最も急激な日次の値下がりとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な利上げにより、投資家はエネルギー需要に打撃を与えかねない景気後退を警戒し、売りが出た。またドル高が原油を割高にしている。
原油は金曜日に下げ、5週間分の上昇を帳消しにし、強力な週足のイブニング・スターを完成させ、その前のシンメトリカル・トライアングルを試すことになる。
今週の予定
すべて米国東部時間で記載
日曜日
21:15: 中国 – 中華人民銀行 ローン・プライム・レート: 前回は3.70%
月曜日
11:00: ユーロ圏 – 欧州中央銀行ラガルド総裁の声明
21:30: 豪州 – 豪州準備銀行金融政策会合議事要旨公表
火曜日
8:30: カナダ – コア小売売上高: 2.4%から0.6%への低下を予想
10:00: 米国 – 中古住宅販売件数: 5.61百万件から5.39百万件への低下を予想
水曜日
2:00: 英国 – CPI: 9.0%から9.1%への上昇を予想
8:30: カナダ – コアCPI: 前回の0.7%から前月比0.4%への低下を予想
10:00: 米国 – FRBパウエル議長の声明
木曜日
3:30: ドイツ – 製造業PMI: 54.8から54.0への低下を予想
4:30: 英国 – 製造業PMI: 54.6での横ばいを予想.
4:30: 英国 – サービス業PMI: 51.8での横ばいを予想
8:30: 米国 – 新規失業保険申請件数: 229千件から225千件への低下を予想
11:00 - 米国 – 原油在庫: 前回は1.956百万バレル
金曜日
2:00: 英国 – 小売売上高: 前回の1.4%から前月比-0.9%への低下を予想
4:00: ドイツ – 6月IFO企業景況感指数: 93.0から92.9への低下を予想
10:00: 米国 – 新築住宅販売件数: 591千件から585千件への低下を予想