[ロンドン 27日 ロイター] - 英イングランド銀行(中央銀行)のカーニー総裁はロンドンに拠点を置く金融機関に対し、低炭素社会への移行を加速させるよう呼び掛けた。同総裁は、金融機関が下すあらゆる決定が気候変動問題を考慮に入れたものとなる、新たな時代の到来を目標に掲げている。
カーニー氏は2020年11月に英北部グラスゴーで開催される予定の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)をきっかけに、地球温暖化による産業社会の崩壊を防ぐため、環境汚染産業から資本を移動させるための一連の対策を強化したい意向だ。
同氏は27日にロンドンで行う演説原稿で「気候変動問題の規模の大きさや市民の期待の高まりを踏まえ、2020年は全員が気候変動対策に参加して行動をとる年にしなければならない。それには世界の金融センターも含まれる」と語った。
カーニー氏は来月、イングランド銀行総裁を退き、国連の気候変動問題担当特使に就任する予定。COP26に向け、ジョンソン英首相のアドバイザーにも任命されている。