[オタワ 28日 ロイター] - カナダ統計局が28日発表した2019年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比0.3%増と、16年第2・四半期以来3年半ぶりの弱さだった。ストライキや悪天候、パイプライン停止などが抑制要因となった。市場とカナダ銀行(中銀)の予想と一致した。
第3・四半期GDPは当初発表の1.3%増から1.1%増へ下方改定された。
カナダ銀行は3月4日に次回会合を開く。新型コロナウイルスや鉄道封鎖の課題に直面する中、市場は利下げ観測が高まっている。中銀は18年10月以降、金利を据え置いてきた。
BMOキャピタル・マーケッツの首席エコノミスト、ダグ・ポーター氏は「世の中の動きはここ数週間で大きく変わっている。GDP統計はあまり影響しないだろう」と述べた。「利下げはないはずだったが、今や時間の問題だろう」と付け加えた。
市場が織り込む利下げ確率は、数日前には30%を下回っていた。GDP発表の直前は70%へ上昇し、その後59%へ低下した。
別途発表された1月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.3%低下した。新型ウイルスの影響で、主要な輸出品である原油の需要が減ったことが一因だ。同じ理由で原材料価格は2.2%下落した。
第4・四半期GDPは、2.0%減となった16年第2・四半期以来の弱さ。16年は原油の生産地域で起きた山火事が打撃となった。
カナダ統計局によると、第4・四半期GDPはパイプライン停止や農産物の不作、鉄道会社労働者による8日間のストライキ、米自動車メーカーでのストによる影響、世界的な貿易摩擦を抑制要因として挙げた。
第4・四半期GDPの内訳は、サービスの家計支出が0.8%増。一方で機械と機器の設備投資は3.6%減と、3四半期連続で落ち込んだ。輸出高は1.3%減だった。
12月単月のGDPは0.3%増と、市場予想の0.1%増を上回った。TDセキュリティーズのマクロストラテジスト、ロバート・ボス氏は12月の数字が明るい材料だと指摘。「第1・四半期を控え、やや勢いが出てきたことを示す。中銀が利下げする材料を探していたのであれば、見つからなかったはずだ」とした。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200228T172327+0000