[シンガポール 2日 ロイター] - アジア時間の原油先物は、序盤に付けた数年ぶりの安値から値を戻している。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、石油輸出国機構(OPEC)が予想以上の減産拡大に踏み切るとの期待や、主要中銀が緩和策を打ち出すとの見方が高まっている。
0105GMT(日本時間午前10時05分)現在、北海ブレント先物 (LCOc1)は前週末終値比0.65ドル(1.3%)高の1バレル=50.32ドル。一時は2017年7月以来の安値となる48.40ドルまで下落した。
米WTI原油先物 (CLc1)も一時1年2カ月ぶり安値の43.32ドルを付けたが、直近では0.47ドル(1.1%)高の45.23ドル。
世界各国での航空便運休や渡航制限を受けて世界経済を巡る懸念が高まっているほか、中国国家統計局が29日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は過去最低を記録し、新型ウイルスによる経済への打撃が浮き彫りになった。[nL4N2AT019]
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の商品リサーチ責任者、ラクラン・ショー氏はこうした状況について、世界の原油・石油製品需要にとってかなりネガティブな一方、サウジアラビアが日量100万バレルの減産での週内合意を模索していると伝わったほか、各国中銀が利下げに前向きな姿勢を示唆していると指摘した。
関係筋によると、OPECの主要加盟国はこれまでに提案された日量60万バレルではなく、同100万バレルの追加減産を検討している。[nL3N2AS4WA] OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200302T021813+0000