[ワシントン 27日 ロイター] - 米政府は27日、対イラン制裁の一部の猶予措置を解除すると発表した。これまでロシア・中国・欧州企業に対し、イラン原発施設の軍事転用を難しくする作業を認めていたが、7月27日付でこの猶予措置を解除する。
対象はアラクの重水研究炉の改造工事、テヘラン研究炉への濃縮ウラン供給、使用済み核燃料スクラップの国外搬出。
もともとは核兵器用の核分裂性物質の生産を難しくするために始められた一部の作業が中断されることになるが、ポンペオ米国務長官は、なぜ今回の決定を下したのか具体的な理由を説明していない。
ただ同長官は、ロシアが建設したブシェール原発の安全性を確保するための外国企業の工事については、猶予措置を90日間延長する方針を示した。
総合的には、イランに「最大限の圧力」をかける米政府の政策を強化する狙いがあるとみられる。
米国務省のイラン担当特別代表、ブライアン・フック氏は記者団に「われわれの圧力により、イラン指導部は交渉に応じるか、経済を破綻させるかの二者択一を迫られている」と述べた。
ポンペオ長官は大量破壊兵器の拡散に関与した疑いがあるとして、イラン原子力庁の当局者2人に対する制裁も発表した。