[東京 3日 ロイター] - 原油先物はアジア時間3日の取引で3日続伸している。今年下期に主要産油国が協調減産体制を維持する一方で、欧米や中国などを中心に燃料需要が急回復するとの期待がある。
0233GMT(日本時間午前11時33分)時点で北海ブレント原油先物は0.49ドル(0.7%)高の1バレル=71.84ドルと、2019年9月以来の高値。
米WTI原油先物は0.44ドル(0.6%)高の69.27ドル。一時は69.32ドルまで上昇した。
今年下期の市場見通しについては、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」を含め、原油需要が供給を上回るとの予測が大勢になっている。
OPECプラスのデータによると、年末時点の石油需要は日量9980万バレル、供給は9750万バレルとなる見通し。
石油最大消費国の米国で夏のドライブシーズンに自動車向け需要が急増するとみられるほか、中国やロックダウン(封鎖措置)解除が近い英国での需要増が見込まれている。
豪コモンウェルス銀行のコモディティーアナリスト、ビベック・ダール氏は調査ノートで「米国のドライブシーズンは燃料消費が通常を上回る時期であり、英国の交通量はコロナ前の水準を上回っている」と指摘し、米欧と中国主導の需要回復をなお見込むと述べた。
OPECプラスは1日の閣僚級会合で、協調減産を7月まで段階的に縮小する方針を確認した。
イラン核合意の再建に向けた米国とイランの間接協議の進展が遅いため、イランの早期輸出再開への期待も後退している。