[ロンドン 15日 ロイター] - 世界の大手石油取引会社によると、2022年後半には原油需要が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻り、原油価格は1バレル=70ドル以上で推移する見通しだ。
石油商社世界最大手ビトルのラッセル・ハーディー最高経営責任者(CEO)はFTコモディティー・グローバル・サミットで、米国がイラン核合意に復帰し、イランの原油輸出が再開されたとしても、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が供給面の規律を維持するとみられるため、原油価格は年内1バレル=70─80ドルで推移するだろうと述べた。
商品取引・資源大手グレンコアの石油部門責任者、アレックス・サナ氏は「石油需要が2022年の第3─第4・四半期までに新型コロナ危機前の水準に回復すると予想している」と指摘。イラン核合意の復活がなくインフレ圧力が続けば、原油価格は上昇するとの見方を示した。
独立系石油取引会社大手のマーキュリア・エナジー・グループは、年末には石油需要がほぼ回復し、新型コロナ危機前の水準に近い日量1億バレル強になると予想。マルコ・デュナンCEOは「中国を除き、在庫は新型コロナ危機前の水準に戻っている」とした。
石油商社ガンバーのトルビヨルン・トルンクビストCEOは、原油価格が100ドル台に戻す可能性について「あり得る」と予想した。