[メルボルン 18日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続落。ドル相場が早期の米利上げ観測を背景に急伸したことが原油相場の重しとなっている。ただ、週間ではほぼ横ばいの水準。
0227GMT(日本時間午前11時27分)時点で北海ブレント先物は0.52ドル(0.7%)安の1バレル=72.56ドル。米WTI先物は0.48ドル(0.7%)安の70.56ドル。
米ドルは米連邦準備理事会(FRB)が今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ予想時期を23年に前倒しして以来、急上昇している。
ウエストパックのシニアエコノミスト、ジャスティン・スマーク氏は、利上げ観測が長期的な経済成長見通し、ひいては原油需要の長期見通しに影を落としていると指摘。「短期的に見通しは非常に明るいが、問題は、利上げが見込まれている状況でどれだけ(需要が)増え続けることができるかだ」と述べた。
英国の17日の新型コロナウイルス新規感染者が2月19日以来の多さとなったのも原油先物に売りを誘った。
イランのアラグチ外務次官が、イラン核合意の再建に向けた米イラン間接協議がこれまで以上に合意に近づいたとの見解を示したことも原油相場のマイナス要因。
ANZリサーチのアナリストは、協議再開によって、米国が対イラン制裁を解除し、原油の供給が大量に増える結果につながるとの懸念が強まったと指摘。ただ、基礎的条件を踏まえれば、市場の需給はなお逼迫していると述べた。