[ウィーン 7日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は7日、申告されていない施設でウランの痕跡が検出された問題を含め、イランが核開発問題に関する質問にいまだ回答していないと非難した。
イランに関する四半期報告書で、イランがIAEAに申告していない4施設に関連する問題が約2年経過してもなお未解決であることを強く懸念していると表明。別の報告書では、イランはIAEAが調査していない4施設に関する疑問を含め施設に関する未解決の問題を「一段と遅滞なく」解決する必要があるとした。
IAEAは報告書で「見識の継続性を維持できるとのIAEAの確信は時間の経過と共に低下し、現在は一段と大きく低下している」と指摘。IAEAは3カ月ごとに機器にアクセスする必要があるにもかかわらず、5月25日以降アクセスできていないとした。
IAEAの報告書によると、作業場に設置されていた4台のIAEAの監視カメラのうち1台が破壊され、もう1台が深刻な被害を受けたという。一方、イランは4日にIAEA査察官に見せる前にこれらのカメラを撤去した、としている。
IAEAがこうした報告書を取りまとめたことで、加盟35カ国は来週の理事会でイランに圧力をかける決議を推し進めるか決定する必要に迫られる。決議が採択されれば、2015年にイランと米英独仏中ロが結んだ核合意への復帰を巡る交渉が一段と困難になる可能性がある。