[ロンドン 21日] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が8月に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復に伴う世界需要を満たすことに苦戦していたことが分かった。原油価格の上昇圧力に拍車を掛ける可能性がある。
ナイジェリアやアンゴラ、カザフスタンといった複数のOPECプラス参加国は、何年にもわたる投資不足や、パンデミックの影響で大規模な保守作業が遅れていることが響き、ここ数カ月、増産に苦慮している。
OPECプラスの2人の関係者は21日、8月のメキシコを除くOPECプラスの減産順守率が116%となり、7月の109%から上昇したことをロイターに明らかにした。8月と9月は日量40万バレルずつ増産している。
8月の原油生産のデータによると、生産量が合意した水準を下回った主な国はアフリカのOPEC加盟国のナイジェリアとアンゴラ、非加盟国のカザフスタンだった。
一部の加盟国が生産を合意水準へ引き上げられない事実は、2020年の記録的な減産の解消に向けて月間生産量の拡大計画を進める中で、供給ギャップが起きる可能性を示唆している。
再生可能エネルギーが増加している中でも、世界の原油消費量は依然として過去最高水準に近い。需要が本格的に回復してパンデミック前の水準を超えた場合、サウジアラビアなど主要産油国の負担が高まる可能性があり、それが来年第2・四半期にも起こり得るとの予測が出ている。