[ドバイ 3日 ロイター] - イラン国営メディアは3日、米国がオマーン湾でイランの石油タンカー拿捕(だほ)を試みたが、イラン革命防衛隊が阻止したと報じた。
国営メディアによると、イラン革命防衛隊は声明で「革命防衛隊の海軍の時宜を得た行動によって、イランの石油を盗もうとした米海軍の作戦は失敗に終わった」と発表した。
イランのメディアは拿捕されたタンカーについて、タンカー追跡サイトがベトナム船籍に付ける「SOTHYS」であると特定。一方、国営メディアは赤色のタンカーが10隻ほどのスピードボートに囲まれている映像を放映した。映像にはイラン軍と米軍が遭遇した様子も映し出された。
米当局者は、米国がイランのタンカーを拿捕しようとしたことはなく、イランの報道は真実ではないと述べた。
また米当局者によると、実際にはイラン軍が先月、ベトナム船籍の石油タンカーを拿捕し、米海軍は状況を監視しているだけとした。
これとは別に、米当局者はロイターに対し、過去24時間にイラン製とみられる複数のドローンがホルムズ海峡で米海軍の水陸両用強襲揚陸艦「エセックス」に接近したと述べた。
核合意再建を巡り、米国とイランの緊張は高まっている。核合意再建協議でイラン交渉団のトップを務めるアリ・バゲリ・カーニ氏は先週、再建協議が11月末までに再開されると述べたが、イラン政府の治安トップ、アリ・シャムハニ氏は3日、バイデン米大統領が核合意から離脱しないと確約しない限り「交渉の結果は明白だ」と述べた。