[メルボルン 10日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続伸。新型コロナウイルス対策の行動制限の解除に伴い、旅行需要が増える中、週間統計で米原油在庫が予想外に減少したことが材料視されている。
0132GMT(日本時間午前10時32分)現在、米原油先物は0.23ドル(0.3%)高の1バレル=84.38ドル。前日は2.7%上昇していた。
北海ブレント先物は0.36ドル(0.4%)高の85.14ドル。前日は1.6%上昇していた。
市場筋によると、米石油協会(API)の週間統計で5日までの週の国内原油在庫は前週比250万バレル減少した。ロイター調査のアナリスト予想は210万バレル増で、予想外の減少となった。
市場は、エネルギー情報局(EIA)が10日に公表する週間在庫統計でも原油在庫の減少が示されるかに注目している。
欧州石油商社大手ビトルのラッセル・ハーディー最高経営責任者(CEO)は9日、ロイター・コモディティーズ・サミットで、米政府が戦略石油備蓄を放出しても、石油市場は年末の緊張が緩和されるだけで、来年には再び需給が逼迫すると指摘した。
同氏は、コロナ禍に伴う制限措置が緩和されて需要が正常化することで、石油市場は向こう1年間、かなり引き締まった状態になると予想。原油価格が「1バレル=100ドルまで上昇する可能性は十分にある」とし、戦略石油備蓄を放出しても情勢は劇的に変化しないとの見方を示した。