[東京 18日 ロイター] - 原油先物は18日のアジア時間の取引で一段安となっている。中国当局はこの日、石油備蓄放出の取り組みについて表明。これより先にロイターは、バイデン米政権が主要な石油消費国に備蓄放出を検討するよう要請したと報じた。
中国の国家糧食・物資備蓄局の報道官は「石油備蓄の放出に向けて取り組んでいる」と明らかにした。米国の石油消費国への放出要請と関係しているかについてはコメントを控えている。
複数の関係者によると、バイデン政権は石油を大量に消費する一部の国に対して、価格を引き下げ景気回復を後押しするための協調した取り組みとして石油備蓄の放出を検討するよう要請した。
0348GMT(日本時間午後0時48分)時点で、米原油先物は0.84ドル(1.1%)安の1バレル=77.52ドル。オーバーナイトで既に3%下げていた。ブレント先物は0.44ドル(0.6%)安の79.84ドル。前日には2.6%下げ、10月初旬以来の安値で引けた。
オーストラリア・コモンウェルス銀行のコモディティーアナリスト、ビベック・ダー氏は「戦略的備蓄の放出は原油価格を一時的に下げるだけだ」と指摘。「市場はそうした事態を既に織り込んでいる可能性が高い」との見方を示した。
日本の経済産業省高官は、米国から原油高に対処するための協力要請があったと述べたが、備蓄放出が含まれているかについては確認しなかった。
韓国産業通商資源省の高官は、米国から石油備蓄を放出するよう要請があったことを確認した。同高官はロイターに「米国の要請について慎重に検討しているが、価格が上昇したからといって石油備蓄を放出することはない」と語った。