[ハルツーム 21日 ロイター] - 10月のクーデターで実権を掌握したスーダン軍トップのブルハン統治評議会議長は21日、解任したハムドク首相を復職させ、拘束している政治家ら全員を解放することでハムドク氏と合意した。
スーダンでは軍が10月にクーデターを起こし、2019年のバシル政権崩壊後に進めてきた軍民共同統治を終わらせ、権力を掌握した。さらに、軍トップのブルハン氏は今月11日、自ら新たに設置した統治評議会の議長に就任した。
今回の合意の下、ハムドク氏は移行期間中、テクノクラート(専門家)による文民政権を率いる。
ただ、19年のバシル政権崩壊後に完全な民政移管を要求してきた民主化勢力は軍が関与するいかなる合意も受け入れないと反発しており、軍と取引したハムドク氏を「裏切り」と批判する声も上がっている。
首都ハルツームや主要都市オムドゥルマンなどで21日に行われたデモには数万人が参加し、目撃者によると、治安部隊が発砲したり催涙ガスを使ったりして強制排除。地元の医師団体によると、発砲を受けた16歳の参加者1人が死亡した。
同国ではクーデター後に軍への抗議デモが広がり、デモ隊側の医療関係者によると、治安部隊の強制排除でこれまでに41人の市民が死亡している。
ハムドク氏は、国営テレビで放送された署名式で「流血を止める」ために合意したと説明した。
米、英、ノルウェー、欧州連合(EU)、カナダ、スイスはハムドク氏の復職を歓迎し、拘束されている他の政治家らの解放を促す共同声明を発表。国連も合意を歓迎した。西側諸国は10月のクーデターを非難し、経済支援を停止していた。