[ブリュッセル 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は6日、今年はシベリアや米国、トルコなどで発生した森林火災による二酸化炭素排出量が過去最大となったと報告した。気候変動が異常な猛火につながったという。
報告によると、今年森林火災で発生した世界の二酸化炭素排出量は17億6000万トン。これは、ドイツの年間排出量の2倍以上となる。
特にシベリアのヤクーツク地域、トルコ、チュニジア、米国西部など最も被害が深刻だった地域の一部では、1─11月としては2003年の統計開始以来最大の排出量を記録した。
コペルニクスの上級科学者マーク・パリントン氏は、「広範囲な地域で、より激しく長期の森林火災が発生している。気候変動による地域的な乾燥と気温上昇が進み、発火性と植生燃焼のリスクが高まっている」と述べた。
全世界の火災による二酸化炭素排出量は過去最大となっていないが、コペルニクスは気候変動の影響が表れるにつれ排出量は増加する公算が大きいという見解を示した。
シベリア北東部のヤクーツクでは、夏季の火災による二酸化炭素排出量が03年以来最大を記録。シベリア西部では「多数の」火災が発生し、排出量が03─21年の平均を大きく上回った。
北米では、カナダ、米カリフォルニア州、米太平洋岸北西部から約8300万トンの二酸化炭素が排出された。