[シンガポール 7日 ロイター] - アジア時間の原油先物は小幅に上昇している。新型コロナウイルスのオミクロン変異株による燃料需要への影響を巡る懸念が後退していることが背景。イラン核合意再建に向けた協議が中断し、イラン産原油の供給再開が遅れていることも支援材料になっている。
0124GMT(日本時間午前10時24分)時点で、北海ブレント先物は0.34ドル(0.5%)高の1バレル=73.42ドル。前日は4.6%上昇していた。米WTI原油先物は0.43ドル(0.6%)高の1バレル=69.92ドル。前日は4.9%高だった。
原油価格は先週、オミクロン株を巡り、ワクチンの効果が弱く感染が拡大して規制が再導入される可能性への懸念が広がったことから急落していた。
しかし、南アフリカの報告書で、オミクロン感染者が軽症にとどまっていることが示されたほか、バイデン米大統領の首席医療顧問を務める国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はCNNで、「現時点で重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と指摘した。
ANZのアナリストはリサーチノートで「原油市場が過去数週間に織り込んできた最悪シナリオの可能性が低下した」と述べた。
イラン核合意を巡る協議中断も相場を支援している。ドイツ外務省の報道官は6日、イランに対し、核開発プログラムを巡る交渉で現実的な提案を行うよう求めた。