[メルボルン 15日 ロイター] - 原油先物価格は15日、続落している。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」は従来型ほど人やモノの移動に影響を及ぼさないとみられているものの、来年は原油供給が需要を上回るとの見方が広がっている。
0413GMT(日本時間午後1時13分)時点で、米WTI先物は0.82ドル(1.2%)安の1バレル=69.91ドル。前日は0.56ドル下落した。
北海ブレント先物は0.71ドル(1%)安の同72.99ドル。前日は0.69ドル下落した。
WTI、ブレントともに一時1ドル超下げた。
国際エネルギー機関(IEA)は14日、新型コロナウイルスの感染拡大とオミクロン株の出現により、世界の石油需要が伸び悩むとみられるが、全体的には供給が増加しており、今月から来年にかけて供給が需要を上回るとの見通しを示した。
一方、石油輸出国機構(OPEC)は13日に発表した月報で、2022年第1・四半期の世界の石油需要見通しを引き上げた。オミクロン変異株による影響は軽微かつ短期的とした。
オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)のコモディティーアナリストはノートで、IEAの見通しが弱気な一方でOPECは楽観的な見通しを示しており、この対照的な見方で短期的にボラティリティーは高止まりする可能性があるとの見方を示した。
英エネルギーコンサル会社FGEは、来年第1・四半期は日量40万バレルの供給超過になると推計。オミクロン株が需要にもたらすリスクは比較的小さいとの前提を置いているため、IEAの予想である170万バレルよりも小幅な供給超過にとどまると見込んでいる。
市場が米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を待つ中、ドル高となっていることも原油相場の重しとなった。