[シンガポール 17日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは、2022年と23年の原油需要が平均ベースで過去最高に達すると見通しを示した。
航空・輸送分野で需要が拡大するという。
同社のエネルギー調査担当責任者ダミアン・クルバラン氏は記者団に「今回の新変異株の直前にすでに過去最高の需要を記録している。ジェット燃料の需要は増えており、世界経済も拡大が続いている」と述べた。
設備投資やインフラ整備事業の増加により、22年の需要は堅調が見込めると指摘。新型コロナウイルスのオミクロン株は人やモノの移動にさほど影響を及ぼしておらず、原油需要にも影響が出ていないとの見方を示した。
世界の石油需要は2020年代末まで安定して拡大し、日量1億0600万バレル前後となる見通し。エネルギー移行は段階的にしか進まないという。
同氏は、電気自動車(EV)の普及でガソリン需要が減るが、トラックと航空機は脱炭素化からは程遠いと指摘。
「現在、年間600万台近いEVが売れている。これは日量1億バレルの市場で日量10万バレル未満の需要破壊にしかつながらない。依然として小規模だ」と述べた。
また、暖冬や中国の石炭供給の拡大がアジアの天然ガスの価格を抑えると指摘した。