[モスクワ 8日 ロイター] - ロシア国営のガスプロムは、ロシアと中国が最近結んだガス供給契約に基づき、米国による制裁の打撃を受けている極東のサハリン沖から中国にガスを輸出する可能性がある。複数の関係者とアナリストが8日、ロイターに明らかにした。
中国にとって第3位のガス調達先となっているロシアは、欧米との対立が激化する中、中国との関係を強化している。プーチン大統領は4日、習近平国家主席と会談し、天然ガスを中国に年100億立方メートル追加供給することで合意した。
ガスプロムによると、中国国営の中国石油天然ガス集団(CNPC)と極東ルートで天然ガスを供給する長期契約を締結した。
このプロジェクトがフル稼働すると、中国へのガス供給量は年間100億立方メートル増加し、既存のパイプライン「パワー・オブ・シベリア」と合わせて供給量は480億立方メートルに達する見通し。
ガスプロムは新契約のガス供給源は明らかにしていない。同社とCNPCはコメントの要請に応じていない。
関係者2人が明らかにしたところによると、ウクライナ危機におけるロシアの関与を理由に米国が2015年に制裁下に置いたユジノ・キリンスコエを含むサハリン沖の区域からガスが供給される可能性がある。
オホーツク海のキリンスキー区域の一部であるこの油田には石油も埋蔵されており、米制裁はロシア深海における石油とガスの探査・生産に関連している。