[リガ/ビリニュス 7日 ロイター] - 欧州歴訪中の米国のブリンケン米国務長官は7日、訪問先のバルト3国で、集団安全保障を定めた北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に対する米国のコミットメントを示し、ロシアの侵攻がウクライナにとどまらない恐れがあるとの懸念の沈静化に努めた。
ブリンケン長官は週末の間にポーランドとモルドバを訪問。この日は、NATOに加盟するリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国を訪問した。
リトアニアのナウセーダ大統領はブリンケン氏に対し「ロシアによる無謀な侵略」で「第3次世界大戦」が引き起こされる恐れがあると指摘。「抑止力だけではもはや十分ではない。ここでは先手を打った防衛が必要になっている。ロシアのプーチン大統領を止められなければ、ウクライナで行動を止めることはない。そうなれば、手遅れになる」と述べた。
ブリンケン長官はその後、ラトビアの首相、大統領、外相とも会談。リンケービッチ外相はブリンケン氏との共同記者会見で「われわれはプーチン氏が支配するロシアにいかなる幻想も抱いていない。ロシアが政策を転換すると期待する根拠は全くない」とし、米国に対し軍を常駐させるよう呼びかけた。
ブリンケン氏はビリニュス滞在中、NATOは常駐軍の配備検討を含め、継続的に防衛体制の見直しを実施していると表明。「誰もわれわれの覚悟を疑うべきでない」とし、米国のNATO条約第5条に対するコミットメントは「神聖」だと述べた。
リトアニアは、ウクライナも要請しているロシア産エネルギーの禁輸措置の導入を改めて要請。ランズベルギス外相はブリンケン長官との共同記者会見で「われわれが輸入するエネルギーは、ロシアの軍事行動の財源になっている。ウクライナ国民の血で原油と天然ガスを賄うことはできない」と語った。