[ウィーン 29日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は29日、ウクライナに入り、同国にある原子力施設の安全を確保するため、専門家や機材などの支援を行う取り組みを開始した。
ロシアによるウクライナ侵攻以来、グロッシ氏は両国に原子力施設の安全を維持する枠組みを構築する緊急協議を呼び掛けているが、今のところ何らかの合意や、両国とIAEAによる三者会談は成立していない。ロシア軍はウクライナ北部のチェルノブイリ原発や欧州最大級のザポロジエ原発を制圧している。
こうした中でグロッシ氏はツイッターに「ウクライナに入国した。国内の原子力施設の安全と防護を確保するための(IAEAの)任務を開始する。われわれは原子力事故の危険を予防する手助けをしなければならない」と投稿した。
IAEAは別の声明で、ウクライナの要請に基づいて支援に乗り出すと表明。ただグロッシ氏がこれからウクライナ政府高官と話し合うとも述べ、まだ支援の詳細は決まっていないことを示唆した。
この声明はロシア側の動きには言及していない。