[ニューデリー 31日 ロイター] - 米政権のシン国家安全保障担当副補佐官は31日、インドのロシア産原油輸入を巡り「レッドライン(越えてはならない一線)」を設ける考えはないとしつつも、ロシア産原油購入の「急速な加速」も望んでいないという認識を示した。訪問先のインド・ニューデリーで語った。
ロイターの分析によると、インドはロシアがウクライナに侵攻した2月24日以降、ロシア産原油を割安な価格で少なくとも1300万バレル購入。2021年通年の購入量である約1600万バレルに近い水準となっている。
シン氏は、米国にはインドのエネルギー関連の多様化を支援する用意があるとした上で、「米国が禁輸、もしくは国際制裁の対象となっているエネルギーなどの品目について、インドのロシアからの輸入が急速に加速することは確認したくない」と語った。
ロシアのラブロフ外相は31日、2日間の日程でインド入りする。ロシア外務省によると、4月1日にインドのモディ首相とジャイシャンカル外相と会談する予定となっている。
トラス英外相は、英国が対ロシア制裁を今後強化する計画としつつも、主権国家であるインドが割安の価格でロシア産原油を購入するという決定を尊重するという認識を示した。