[上海 7日 ロイター] - 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が今週公表した報告書で、世界最大の温暖化ガス排出国である中国がクリーンエネルギーへの移行を加速する必要性が浮き彫りになった。
報告書では、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えるためには、2025年までに排出量がピークを打つ必要があることなどが示された。
中国は30年までに排出量を頭打ちにし、60年までに実質ゼロにすると表明している。
だが、昨年の電力不足やロシアのウクライナ侵攻による地政学的不透明感を受け、最近ではエネルギー安全保障に軸足を移している。
最近の政策文書によると、中国は少なくとも短期的にエネルギー源として石炭を引き続き重視し、消費削減は25年以降に開始する予定だ。
風力・太陽光発電能力を30年までに1200ギガワットに引き上げることも約束しているが、さらに大規模な能力拡張を容易に行えると多くの専門家は指摘する。
IPCCの報告書執筆に関わった豪カーティン大学のピーター・ニューマン氏は、中国は風力・太陽光の製造コスト引き下げや輸送の電動化で脱炭素に大きく貢献してきたものの、一段と野心的な取り組みが必要だと訴えた。