[ロンドン 8日 ロイター] - 環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」が8日、英首都ロンドンでの抗議活動で、テムズ川に架かる名所のタワーブリッジを一時封鎖に追い込んだ。今後さらに混乱を招く行動を起こすと警告している。
XRによると、化石燃料への依存をやめるよう政府に求めるキャンペーンの一環として、抗議活動家2人が橋から吊りひもでぶら下がって発煙筒を放ち、大きな横断幕を橋の側面に掲げた。
警察によると、ロンドンの金融街シティーの玄関口となっているタワーブリッジが数時間にわたって通行止めになった。
XRと他の環境保護団体は、先週1日からロンドンや英国の他の場所にある石油施設に対して連日抗議行動をしている。その「4月の反乱」が来週、ロンドンにさらに大きな混乱を引き起こすと宣言している。
これらの団体は、政府が全ての新しい化石燃料インフラを直ちに停止すると約束することを求めている。戦術を「非暴力的市民的不服従から市民的抵抗」に切り替え、「街の複数の地区をできる限り長く遮断する」ことを目指すと訴えている。
XRは3年前にも、ピンクの大型ボートをロンドンの主要なショッピング街の一つ、オックスフォードサーカスに引っ張り込むなどの抗議行動をして交通の混乱を引き起こした。「この反乱は『ピープルパワー(人々の力)』を核とし、非暴力の市民的抵抗戦術に誰もが参加することを奨励し、共に行動を起こし、反応に対して順応し、機敏になることを目指している」と主張している。
英国は、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにすることを公約しているが、ウクライナ危機を受けて計画が圧迫されている。
複数の環境保護団体は、7日に発表された政府のエネルギー戦略に失望を表明した。その戦略には原子力発電と洋上風力発電の拡大計画を打ち出している。
外国産化石燃料への依存度を減らすため、スナク財務相が金融規制当局に対して発した「英国の石油・ガスの供給源は重要な役割を担っている」というメッセージは実質ゼロの公約を脅かすとも主張した。