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中国海洋石油、米英加での操業撤退準備 西側の追加制裁懸念

発行済 2022-04-14 14:57
更新済 2022-04-14 15:00

[ロンドン/シンガポール 13日 ロイター] - 中国の国有石油最大手の中国海洋石油(CNOOC)が英国とカナダ、米国での操業から撤退する準備をしている。3カ国にある資産が西側の新たな制裁の対象になるのを中国政府が懸念しているためだ。複数の業界関係者が語った。

中国と西側の関係は通商問題や中国での人権侵害への批判から長く緊張した状態にあった。ウクライナに侵攻したロシアに対し、中国が批判や制裁同調を控えていることも西側との緊張を高めている。米政府は先週、中国が外貨入手や国際決済網へのアクセスなどでロシアの制裁迂回を助けるなら、相応の結果に直面する可能性があると警告した。

CNOOCが3カ国での事業に進出してからまだ10年もたたない。カナダのエネルギー企業のネクセンを150億ドルで買収したことで、CNOOCは世界の有力生産業者に躍り出た。英国では北海、米国ではメキシコ湾のそれぞれの主要油田に権益を持つほか、カナダでは大規模なオイルサンド事業の資産もある。ロイターの試算では、合わせて石油換算で日量約22万バレルを生産している。

トランプ前米大統領が中国軍を支援していると見なした中国企業への投資を禁じる大統領を出したのをきっかけに、CNOOCは昨年、ニューヨーク証券取引所で上場廃止になった。消息筋によると、同社はその代わりに上海証券取引所に今月上場する計画で、上場を控えて世界の資産の見直しに着手した。上海での新規株式公開(IPO)の目論見書では「企業や企業関係者や取引先などに将来、米国の政策変更でどのような制裁が及ぶかが読めない」として、新たな制裁を受けかねないリスクを指摘していた。

ロシアの侵攻以来、石油と天然ガスが一段と高騰していることも好機とみて、撤退する資産の新たな買い手が見つけられると踏んでいる面もある。消息筋によると、同社は今後、中南米やアフリカの新規資産取得にかじを切り、ブラジルやガイアナやウガンダの大型新規事業の開発を優先したい意向。

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