[上海/北京 30日 ロイター] - 中国の上海市は30日、新型コロナウイルス対策で隔離措置が取られている地区以外で29日に報告された感染者がゼロだったと明らかにした。感染者急増を受けて4月初めに導入したにロックダウン(都市封鎖)という厳格な行動制限が一定の成果を収めたことになる。
上海市衛生当局の高官は記者会見で「市の感染対策は現在も非常に重要な局面にある」と述べ、市民に対策への理解を求めた。
感染を徹底的に封じ込める中国政府のゼロコロナ政策は経済に深刻な影響を与え、不自由を強いられる市民は不満を募らせる。
中国国家統計局が30日に発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は予想以上に低下。財新の製造業PMIも2年2カ月ぶりの低水準となった。
上海市は先に、企業666社を生産再開を優先的に支援する対象に指定したが、市によると、その80%超が生産を再開した。第2弾の支援対象として1188社をリストアップしたという。
野村は、中国国内の46都市、3億4300万人が完全または一部封鎖下にあると推計。ソシエテ・ジェネラルは、国内総生産(GDP)の80%を生む地域で厳格な行動制限が行われていると見積もる。
上海市によると、29日に報告された無症状感染者は8932人、症状のある感染者は1249人でいずれも前日から減少した。前日は無症状感染者は9545人、症状のある感染者は5487人だった。
一方、首都北京市は、引き続き検査を強化し、濃厚接触者の特定などによって感染拡大の阻止に取り組んでいる。
新華社によると、北京市で29日に報告された症状のある感染者は48人で前日(47人)とほぼ変わらず。無症状感染者は6人で前日(2人)から増えた。