[メルボルン 2日 ロイター] - アジア時間の原油先物は薄商いの中、下落。世界最大の石油輸入国である中国の経済減速懸念が重しとなっている。一方、欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸に踏み切り、供給が逼迫する懸念があるため、下値は限定的。
0205GMT(日本時間午前11時05分)現在、北海ブレント先物は1.21ドル(1.1%)安の1バレル=105.93ドル。米WTI先物は0.99ドル(1%)安の103.70ドル。日本、インド、東南アジアの各国が祝日で休場となっている。
中国国家統計局が30日に発表した4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は2カ月連続で景況改善・悪化の分岐点となる50を割り込んだ。厳格なコロナ規制が響いた。
コモンウェルス銀行のコモディティー(商品)アナリスト、トビン・ゴリー氏は「不動産バブルの崩壊や(最近までの)規制強化を巡る懸念が中国にとって既に痛手となっていることを踏まえると、ここまでの減速は、コモディティー市場や世界経済に大問題となり得る」と分析した。
供給に関しては、リビア国営石油会社(NOC)が1日、輸出ターミナルのズウェイティーナの操業を一時的に再開すると発表。環境災害を回避するために、貯蔵タンクの原油在庫を減らすとした。NOCは4月下旬に、デモで操業に支障が生じたとして、同ターミナルの一部輸出について履行義務を免れる不可抗力宣言を行った。
ただ、EU外交官は、EUがロシア産原油の輸入を今年末までに禁止する方向に傾いていると話しており、供給逼迫の可能性が相場の下げを限定的にしている。