[ブリュッセル 3日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)元事務局長のパスカル・ラミー氏を含む欧州の元政策責任者は3日、欧州連合(EU)指導部に書簡を送り、ロシア産原油と天然ガスの代替確保を急ぐ中、欧州が化石燃料依存から脱却できなくなることがあってはならないとの考えを示した。
書簡に署名したのはラミー氏のほか、欧州委員長も務めたイタリアのロマーノ・プローディ元首相ら11人。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長らに宛てた書簡で「化石燃料の輸入元を多様化するだけでは、他の国に対するエネルギー依存を維持することにしかならず、その多くはEUの価値観を尊重しない国々だ」と指摘。原油と天然ガスへの依存を固定化するのはなく、気候変動対策の目標に沿い、化石燃料の使用を大幅に削減するための緊急計画を策定するよう提言した。
欧州委は月内にロシア産エネルギー依存からの脱却に向けた計画を発表する見通し。再生可能エネルギーの利用拡大なども盛り込まれるとみられている。