[キーウ/ブチャ(ウクライナ) 10日 ロイター] - ドイツのベーアボック外相が10日、ウクライナ入りした。ロシアのウクライナ侵攻後にウクライナを訪れたドイツ政府関係者としては最高位となった。
ドイツ政府は当初、ウクライナへの重火器の供与に消極的で、関係が悪化していた。しかし、ドイツはウクライナが目指す欧州連合(EU)加盟に支持を表明し、ロシアへのエネルギー依存低減を鮮明にするなど、関係修復に動いている。
ベーアボック外相は、ロシアからのエネルギー輸入をゼロとし、「永続させる」ことを目指すと述べた。
さらに、米英の動きに追随し、ウクライナの首都キーウの独大使館を再開させる方針を表明した。
また、ドイツがオランダと連携し、ウクライナに榴弾砲(ハウビッツェ)12両を供与する方針を示した。
ウクライナのクレバ外相は共同会見で、「ドイツがウクライナの平和、領土保全、主権のために立ち上がったことは歴史的転換」とし、独政府に謝意を表明した。
ベーアボック氏はまず、ロシア軍が民間人に残虐行為を行ったとされるキーウ近郊のブチャを訪問。ロシア政府は残虐行為を繰り返し否定しているが、同氏はブチャの殺害に関与した人間が裁きを受けるべきだと主張。
「それが被害者に対する私たちの義務だ。ここでは被害者のことが強く感じられる。被害者は私たちかもしれなかった」と述べた。