[ベイルート 2日 ロイター] - レバノンの首都ベイルートにあるウクライナ大使館は、ロシアがウクライナ侵攻開始以降に同国から略奪した小麦推定10万トンを同盟国のシリアに送ったと主張、「犯罪行為」だと非難した。
大使館はロイター宛ての文書で、一部はロシア籍の船舶「マトロス・ポジニッチ」で輸送されたと説明。
リフィニティブのデータによると同船舶は、ロシアがウクライナから併合したクリミア半島のセバスポリ港で小麦を積み込んでおり、5月19日に出港し、シリアで荷降ろしする、となっていた。
米衛星画像企業プラネット・ラブズが5月29日に撮影した衛星画像では同船舶はシリア最大の港湾都市ラタキアに停泊していた。
大使館は、同船舶に積み込まれた小麦はウクライナのロシア制圧地域の貯蔵施設から「盗まれた」ものだと主張。
ロシア国防省とシリア情報省はロイターのコメント要請にまだ回答していない。ロシアはこれまでにウクライナから小麦を略奪したとの見方を否定している。
大使館によると、「略奪」されたウクライナ産小麦10万トン以上が過去3カ月間にシリアに到着した。トン当たり400ドル強の国際価格に基づくと、4000万ドル以上の価値があった。
ロイターはウクライナ側の主張の真偽を確認できていない。