[7日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は7日、現在中国に集中している太陽光パネルの製造を拡充して安定供給を図り、地球温暖化ガス排出量削減目標達成につなげるべきと指摘した。
IEAの報告書によると、太陽光パネルの「主要な構成要素」であるポリシリコン、インゴット、ウエハー、セル、モジュールの生産能力は2030年までに現在の2倍にする必要がある。
太陽光発電は、中国勢の躍進もあって世界の多くの地域で最も安価な発電方法となった。
IEAによると、2021年のポリシリコンの製造能力の79%は中国が占める。
ビロルIEA事務局長はロイターに「世界のサプライチェーンで、特定地域にこれほど集中しているのは、相当な脆弱性を意味する」と述べた。
報告書によれば、ポリシリコン生産の中国のシェアは近いうちに約95%に達し、インゴットやウエハーも生産するとみられる。
ビロル氏は「火災や自然災害が発生すれば、世界のクリーンエネルギーへの移行に影響を与え、太陽光発電の価格が上昇し、入手が困難になる可能性がある」と述べ、生産拠点の分散でそうしたリスクを抑えられると指摘した。