[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は22日発表した報告書で、成長見通しが不透明さを増しているにもかかわらず、ユーロ圏全域で企業がインフレ圧力の高まりと賃金上昇の加速に直面していると指摘した。
主要71社に対して6月下旬に行った調査の結果をまとめた。
バリューチェーンにかなりのコスト圧力がかかっており、企業は販売価格を大幅に引き上げたり頻繁に引き上げたりしているという。
エネルギーと輸送コストの上昇が大半の企業にとって主な懸念要因で、ほとんどの材料・部品の投入価格が上昇し続けているとした。
「大半の企業は賃金圧力が徐々に高まっていると感じている」と指摘。「約4分の3は2023年の賃金上昇率が22年より高くなると予想し、22年の上昇率を2─4%と想定している企業がほとんどだ」と説明した。
物価上昇と雇用拡大が続いているにもかかわらず、消費意欲の減退が今年リセッション(景気後退)を招くと懸念していることも明らかになった。
家計には今のところ十分な貯蓄があるが、エネルギー価格の高騰により家計がますます圧迫される可能性がある。
ECBは「ガスの供給がさらに制限されれば明らかに下振れシナリオが浮上する」との見方を示した。