[モスクワ 22日 ロイター] - ロシア国営ガスプロムは22日、独シーメンス・エナジーとの現在の契約では、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」のタービン返却を促すためにロシアが一段の行動を起こす必要はないと発表した。
ノルドストリーム1の運営会社は前日、10日間の定期保守点検を終えてドイツへのガス供給が21日に再開したと発表。21日の流量は保守点検前に既に減らされていた水準と同じ、輸送能力の40%となった。
ロシアは6月、シーメンス・エナジーがカナダで修繕中のタービンの返却が遅れていることを理由にノルドストリーム1のガス供給量を60%削減していた。
こうした中、ガスプロムは22日、タービンをポルトバヤ圧縮機ステーションに戻すために欧州連合(EU)とカナダによる制裁の免除を確認する必要書類をシーメンス・エナジーからまだ受け取っていないと指摘。シーメンス・エナジーに書類の提出を改めて求めた上で「現在の契約条件ではこのエンジンを入手するためにロシア側が追加で義務を果たさなければならないとは規定されていない」と強調した。
ロイターは21日、複数の関係者の話として、ロシアが輸送許可を出していないため、ノルドストリーム1のタービンがドイツ国内で足止めされていると報じた。