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インテル:10年ぶりの業績不振、半導体メーカーは過去の栄光を取り戻せるか?

執筆: Investing.com (ハリス アンワル)株式市場2022年06月08日 22:36
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インテル:10年ぶりの業績不振、半導体メーカーは過去の栄光を取り戻せるか?
執筆: Investing.com (ハリス アンワル)   |  2022年06月08日 22:36
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  • インテルは、最高経営責任者であるパット・ゲルシンガー氏のもと、過去の栄光を取り戻すために大規模なリストラを実施。

  • しかしアナリストたちは、インテルが苦しい戦いを強いられていると考え、株価に対して否定的な見方を継続。

  • インテルの利益率の縮小は、株価の長期的な成長にとって大きなリスク。

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米国最大の半導体メーカー、 インテル(NASDAQ:INTC)の株式リターンは投資家にとって、この10年間は厳しいものだった。その間、カリフォルニア州サンタクララに本社を置く同社は、最新の半導体を市場に投入することができず、 Taiwan Semiconductor Manufacturing (NYSE:TSM) や Samsung Electronics (OTC:SSNLF) (KS:005930)といった競合相手に大きく差をつけられ、順位を下げていった。

テクニカル・チャートをみると、インテル株のパフォーマンスの低さがよく分かる。ベンチマークである Philadelphia Semiconductor Indexが190%以上上昇したのに対し、INTCは過去5年間でおよそ20%の上昇にとどまっている。INTCの火曜日の終値は43.53ドルだった。

INTC 月次チャート
INTC 月次チャート

しかし足元、同社は変革への第一歩を踏み出したようだ。最近、最高経営責任者のパット・ゲルシンガー氏が指揮を執り、大規模なリストラを明言している。

その成果はすでに現れ始めている。同社は現在、オハイオ州コロンバス郊外の半導体製造拠点に200億ドルを投じており、この拠点が世界最大の半導体製造拠点に成長することを予想している。

この生産施設は最先端の技術に依存しており、その結果、世界の半導体サプライチェーンにおける米国のシェアが高まり、より多くの生産が米国に戻され、現在のアジアの生産支配に対抗することになるであろう。

ゲルシンガー氏は、欧州での事業拡大も計画しており、取引を行い、研究費の支出を強化する。今年初め、インテルはタワー・セミコンダクター(NASDAQ:TSEM)を54億ドルで買収することに合意したが、これは他社のために半導体を受託生産することを推進する一環であった。

困難な戦い

しかしアナリストたちは、インテル社の株価について否定的な見方を貫いている。特に、同社の最大の顧客の多くが独自の半導体を設計するようになった今、インテル社は苦しい戦いを強いられていると考えているようだ。

Apple (NASDAQ:AAPL) はすでに同社のMacシリーズのコンピュータでインテルの部品の使用をやめ、代わりにArm Ltd.の技術に頼っている。Amazon (NASDAQ:AMZN)やMicrosoft (NASDAQ:MSFT)も、サーバー・プロセッサーで同様の措置を取っている。

Investing.comが調査したアナリスト44名のうち、22名が「中立」、13名が「買い」、9名が「売り」の評価をしており、全体のコンセンサスは「中立」となっている。

INTC コンセンサス予想
INTC コンセンサス予想

出所:Investing.com

モルガン・スタンレーのアナリストは、「半導体の下落」と題した分析メモの中で、最近の市場低迷の中で買い場を提供している銘柄のリストからインテルを除外した。

そのメモにはこうある。

「最先端の半導体においては、TSMCとSamsungが、大規模で急速に成長するファウンドリ(半導体産業において、実際に半導体デバイス(半導体チップ)を生産する工場)を活かし、今後10年間、先進的な半導体製造を支配し続けると予想している。」

インテルの役割は、アナリストによると、「あまり確実ではない」という。

TSMC とSamsung の2社は、最先端の半導体を製造するファウンドリを運営しており、Apple、Qualcomm (NASDAQ:QCOM)、NVIDIA (NASDAQ:NVDA)などが最大の顧客となっている。

インテルの株価を低迷させるもう一つの要因は、同社の利益率の縮小である。インテルの粗利益率(製造業の健全性を示す重要な指標である製造原価を差し引いた後の売上高の割合)は、今年は52%程度になると予想されている。

この数値は、自動車など他の産業においてはかなり魅力的なものだが、インテルの過去の水準を10ポイントも下回っている。また、いくつかの同業他社の水準も下回っている。Texas Instruments (NASDAQ:TXN) は70%に近く、 Advanced Micro Devices (NASDAQ:AMD)はこれまで高い利益率で知られていなかったが、今年は51%になる見込みである。

ゲルシンガーCEOのもとで同社が曲がり角を迎えているかどうかを示すもう一つの課題は、多くのアナリストが今後1年以内に予測する景気後退から、いかにして同社の収益を守るか、ということだ。

4月に発表した第2四半期の売上と利益見通しはいずれも軟調なものであり、同社の半導体に対する需要の弱さを示した。この弱気な見通しは、インテルの最大の収益である消費者向けPCの需要全体が、パンデミック関連の在宅勤務や自宅学習に支えられたブームの後に減速しているという懸念が増している中で出されたものである。

結論

インテルは回復への長い道のりを歩んでおり、リソースのかなりの部分を消費し、利益率に打撃を与えている。市場は、同社が過去の栄光を取り戻すことに成功するかどうか、依然として懐疑的である。

インテルの株を購入しようと考えている人は、もう少し様子見姿勢でいるのが良いかもしれない。

***

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