[ヨハネスブルグ 8日 ロイター] - 米バイデン政権は8日、サハラ砂漠以南のサブサハラアフリカへの包括戦略を公表した。同地域の重要性のほか、中国とロシアの脅威を強調し、価値観を共有するアフリカ諸国との防衛協力の拡大を確約した。
米政府は包括戦略で「この地域が全ての人に開かれ、アクセス可能であること、政府と国民が国際的な義務に沿って自らの政治的選択を行えることに強い関心を持っている」と表明。ブリンケン国務長官が昨年11月に行ったアフリカ政策に関する演説の内容を踏襲した。
2022年の国家防衛戦略に沿い、国防総省はアフリカのパートナー国と共に「アフリカにおける中国とロシアのネガティブな活動のリスクを明るみに出す」と表明。価値観を共有する戦略的パートナーとの防衛協力を拡大するとしたほか、アフリカの軍隊と関わる方法の「見直しと再投資」を行うとした。
ブリンケン国務長官は訪問先の南アフリカで包括戦略を公表するにあたり「アフリカの国々が他国の発展の道具として扱われることがあまりに多い」とし、「米国はアフリカの選択に口を出さない。他の国も口を出すべきでない」と述べた。
その上で「アフリカ諸国がテロリズムと治安悪化に直面していると、米国は認識している。(ロシアの民間軍事会社)ワグネル・グループはこうした問題に対する答えではない。より効果的で信頼の置けるアフリカの治安部隊の構築に取り組むことが解決策になる」と語った。
米政府は包括戦略の中でも、ロシアのワグネル・グループが戦略的利益のために「不安定を煽っている」と非難している。