[ベルリン 11日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は11日の演説で、エネルギー価格高騰に苦しむ人々への新たな支援策を講じると約束した。
一方でショルツ氏は、「債務ブレーキ」制度について「われわれがこれを撤廃するつもりはないことを、国民の皆さんには信じてもらいたい」と訴えた。債務ブレーキは財政赤字が国内総生産(GDP)の0.35%に達すると原則として新規の政府借り入れを禁止する仕組みだが、景気下支えのため2020年以降は凍結されている。
ショルツ政権はこれまで、企業や家計が急激に上がった天然ガス価格の負担を軽減できる対策を打ち出してきた。こうした中でリントナー財務相は、所得税の課税基準を引き上げる方針を表明し、連立与党内からは批判の声も聞かれる。
このリントナー氏の提案をショルツ氏は支持しつつ、石油企業などの利益に新たな課税を導入する考えには否定的な考えを示した。
ショルツ氏は、ハンブルク市長時代に株式配当の還付金詐欺事件に関与していたのではないかとの疑惑に関しては、不正の事実はないと強調。「2年半にわたる信じられないほど多くの聴取や文書提出を経て、たった1つの結論が導き出された。つまり(事件に自らの)政治的な影響力が行使された証拠は何もないということだ」と述べた。
同じ社会民主党に所属するハンブルク選出の元国会議員の貸金庫から20万ユーロ余りの現金が発見されたとの報道についても、何も知らないという。
ショルツ氏は来週、ハンブルクで開かれるこの事件の調査委員会の会合で証言する予定だ。