[シドニー 19日 ロイター] - オーストラリア政府は19日、電気自動車(EV)普及に向けた自動車燃費基準の導入を目指すと表明した。ボーウェン気候変動・エネルギー相は「国家EV戦略」に関する文書を今後数週間内に公表し、産業界、労働組合、消費者団体から意見を求める予定だと述べた。
ボーウェン氏はキャンベラで開催されたEVサミットで、経済協力開発機構(OECD)加盟国で燃費基準がないか策定中の国はロシアを除けば豪州のみで、義務的な燃費基準がないことが国内EV普及の妨げになっていると指摘。「今こそ、燃費基準が豪市場へのEV供給改善に役立つかどうか、整然と賢明な議論を行うべき時だ」と述べた。
ボーウェン氏によると、豪州で販売される自動車に占めるEVの割合はわずか2%で、英国の15%や欧州の17%を大きく下回る。また価格が6万豪ドル(4万1450米ドル)を切るEVは8車種しかなく、英国の26車種に比べ選択肢が限られていると指摘した。
5月の総選挙で勝利したアルバニージー首相は、気候関連政策を他の先進国と同調させるよう改革することを公約に掲げ、温室効果ガス排出削減目標の引き上げを発表。EV減税の方針も打ち出している。
米EV大手テスラのロビン・デンホルム会長は会合のパネル討論で、豪州は他国に早急に追い付く必要があるとし「それはEVだけでなく、ガソリン車の排ガス問題もそうだ。豪州で走る車が世界で最も汚染をまき散らしていることは容認できない。それが現状で、しかも深刻化している」と述べた。