[モントリオール 22日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は22日、カナダを訪問し、トルドー首相と会談した。化石燃料脱却やエネルギー供給など巡る関係強化を狙う。訪問は3日間の予定で、独企業幹部も同行している。
トルドー首相は会談後の記者会見で「ロシアによるウクライナ侵攻の決定を受け、われわれは相互へのアプローチを加速かつ深化させている」と語った。
さらに、カナダの大西洋岸から欧州に液化天然ガス(LNG)を輸出する新規プロジェクトの可能性に触れつつも、こうしたプロジェクトが経済的に困難であることや、世界的なエネルギー供給の脱炭素化の必要性を強調した。
ショルツ首相は、ドイツがロシア産エネルギー供給への依存を低減するために他の代替先を模索する必要があると同時に、2045年までに炭素排出ゼロ達成を目指すと言明した。
カナダも50年までに温室効果ガスの排出量をネット(実質)ゼロとする目標を掲げる。
両国は23日に、カナダによる水素や主要鉱物のドイツへの輸出加速に向けた合意を発表する見通し。関係筋によると、カナダは独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)やメルセデス・ベンツ・グループと、電気自動車(EV)に使用されるニッケルやリチウム、コバルトなどの鉱物のサプライチェーン構築に関する覚書(MOU)を締結する予定という。