[25日 ロイター] - オーストラリアの銀行大手ANZは25日のアナリストリポートで、中国で電力不足が銅とアルミニウムのさらなる需要増大につながると分析した。
中国の中央政府は元々送配電への投資増強を計画していたが、今月に熱波と水不足で深刻な電力不足に見舞われた四川省のような事例が相次ぎ、中国全土で再生可能エネルギープロジェクトの促進が急務になっていると指摘。
銅は太陽光や風力の電力にも使われるため、リポートによると、銅線の取り換え需要だけでなく、太陽光パネルでの需要なども高まっている。中国が2025年までに1200ギガワットの再生可能エネルギー供給に向けたインフラ設置を推進しているため、銅需要はさらに300万トン必要になると予想。今年の中国の銅需要については2.2%増から3.6%増に予測を上方修正し、来年は6.5%増を見込んだ。銅市場の需給は不足が続くとみている。
リポートはアルミについても、国内の人口の多い地域に再生エネルギーを届けるための超高圧線に投資が必要なことが大きな追い風だと指摘。中国で消費されるアルミの12%超が電線向けだとした。今年のアルミ需要予測を2.6%増から3.1%増に上方修正し、来年を4%増とした。需給の不足が拡大し、アルミ価格がさらに押し上げられるとも予想した。