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サウジのアジア向け原油、10月に4カ月ぶり値下げ予想も 需要減で

発行済 2022-08-30 13:44
更新済 2022-08-30 13:46
© Reuters.  8月29日、ロイターが石油精製業界関係者5人にサウジアラビアの10月の原油販売価格予想を尋ねたところ、アジア向けに販売する油種の大半で値下げが見込まれる結果になった。写

[シンガポール 29日 ロイター] - ロイターが29日に石油精製業界関係者5人にサウジアラビアの10月の原油販売価格予想を尋ねたところ、アジア向けに販売する油種の大半で値下げが見込まれる結果になった。燃料需要の停滞に加え、競合する米国や西アフリカからのタンカーのアジア到着が増えることで、供給逼迫懸念がおおむね弱まっているとみられている。

サウジの国営石油サウジアラムコの主力油種アラビアン・ライトについては、公式販売価格で1バレル当たり4.50ドルに引き下げると予想された。その通りならサウジとしては4カ月ぶりの値下げとなる。9月についてはアラビアン・エクストラ・ライトの同価格をオマーン・ドバイ産原油平均価格より10.95ドル高い記録的な価格に引き上げていた。アラビアン・ライトではこの上乗せは9.80ドルになっていた。

© Reuters.  8月29日、ロイターが石油精製業界関係者5人にサウジアラビアの10月の原油販売価格予想を尋ねたところ、アジア向けに販売する油種の大半で値下げが見込まれる結果になった。写真はサウジアラムコの石油施設をみる従業員。サウジのアブカイクで2019年10月撮影(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

一方、ドバイやオマーンなどの標準油種のスポット価格プレミアム幅は8月、世界的な景気後退懸念の強まりなどが背景に急激に落ち込んだ。ドバイ市場の動向はサウジが通常、今後の値決めで参考にする。

ある回答者は「アジアの全体的な需要がそれほど強くない」と指摘した。インドやインドネシアでは例年9月下旬にはモンスーンの季節が終わり、原油の需要が回復するものの、今年は厳しいコロナ感染予防策を続ける中国で燃料消費の停滞が続く可能性がある。アジアの製油最大手である中国石油化工集団(シノペック)は今年下半期の製油量を前年同期比8%減、通年で6%減と予測している。

別の回答者は、サウジを出発して西に向かったタンカーが、欧州での需要低調のためにアジアに行き先を変えており、これもアジア向け価格を押し下げるはずだとの見方を示した。

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