欧州市場サマリー（9日）

　 　 1358GMT 8日

ユーロ／ドル

ドル／円

ユーロ／円

　　　　　　　　　　　　　　9日終値 　 　 前営業日終値

株　ＦＴ１００ 4404.79（‐0.43） 4405.22

　　クセトラＤＡＸ　　　　　4997.86（‐6.86） 5004.72

金　現物午後値決め 956.00 943.75 　　

　　　　　　　　　　　　 先物 　　 現物利回り

３カ月物ユーロ(６月限)　 98.695 (＋0.010)　　0.819(0.865)

独連邦債２年物 1.721(1.788)

独連邦債１０年物(６月限) 118.53 (＋0.19) 3.640(3.687)

独連邦債３０年物 　 4.303(4.327)

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　＜為替＞　ドルが主要通貨に対し下落。年末までに利上げされるとの観測を裏付けるほ

ど米経済が回復しているかを疑問視する見方が広がった。

　一方、ユーロは上昇し１．４０ドルを上抜けた。米財務省が大手銀行１０行に対し総額

６８０億ドルの公的資金返済を承認したことや、欧米株価の上昇がユーロを支援した。

　＜株式＞　ロンドン株式市場は横ばい。ドル安を背景とした堅調な原材料価格に追随し

て商品（コモディティ）株が上昇する一方、たばこ・医薬品株に売りが出た。

相場は値動きの荒い展開となり、出来高は過去９０日間の平均の約７６％だった。

　鉱山株が買われた。ドル安を背景に金属価格が上昇した。リオ・ティント、エ

クストラータ、カザキミス、ユーラシアン・ナチュラル・リソーシズ

、ベダンタ・リソーシズが０．９―３．４％上昇した。

　石油株ではＢＰが０．９％、タロー・オイルが４％上昇した。原油先物

は１バレル＝６９ドル超で推移。

　レッドメイン・ベントレイのポートフォリオ戦略部門を統括するティム・ホワイトヘッ

ド氏は、相場が一段と上昇するにはより良い内容を示す経済ニュースが必要と指摘した。

　「バルト諸国や東欧など問題が生じる可能性のある地域が依然として存在し、市場を脱

線させる恐れがある。当面はレンジ取引になるだろう」との見方を示した。

　旅行会社のトーマス・クックは１０％高。同社の過半数株を保有するドイツ小

売りのアルカンドールの破産申請決定について、財務に与える影響はないと発

表した。

　ブリティッシュ・アメリカン・タバコは１．９％、インペリアル・タバコ

は０．３％それぞれ下落した。

　同じくディフェンシブ銘柄である医薬品株では、アストラゼネカが１．２％、

シャイアが１．６％それぞれ下落した。

　半面、グラクソ・スミスクラインは０．１％高。中国におけるインフルエンザ

ワクチン製造について同国の企業と提携したと発表した。

　銀行株はＨＳＢＣが１．１％安。一方、バークレイズ、ロイズ・バン

キング・グループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドは上昇し

た。

　欧州株式市場は反発。米半導体大手テキサス・インスツルメンツ（ＴＩ）によ

る四半期業績予想の上方修正を手がかりにノキアが急伸したほか、原油高を背

景にエネルギー株が値上がりした。

　ＦＴＳＥユーロファースト３００種指数<.FTEU3>は４．４５ポイント（０．５１％）高

の８６９．５６。

　ＤＪユーロＳＴＯＸＸ５０種指数<.STOXX50E>は１１．０１ポイント（０．４５％）高

の２４７９．３８。

　ハイテク株に買いが入った。ノキアは３．７％高。ＴＩが第２・四半期の利益と売上高

の予想を上方修正し、半導体市場の需要が回復していることを示唆した。

　ＣＣＳインサイトのアナリスト、ジョン・ジャクソン氏は、ノキアは売上高回復に向け

た勢いを確認しているだろう、と述べた。

　ハイテク銘柄では、アルカテル・ルーセント、エリクソン、イン

フィニオンが０．７―２．９％高。

　米原油先物の上昇でエネルギー株も高い。ＢＰ、タロー・オイル、

トタルが０．３―４％上昇した。

　銀行株の一角にも買いが入った。サンタンデール、ＢＮＰパリバ、

クレディ・スイスは１．１―１．７％高。ロイズ・バンキング・グループ

も３．１％上昇した。ロイズは、住宅金融・貯蓄部門であるチェルトナム＆グロ

スター（Ｃ＆Ｇ）の支店をすべて閉鎖し、最大１６６０人削減する方針を示した。

　半面、ＨＳＢＣは１．１％下落。主要株主による同行株式売却をめぐる懸念が

あるとトレーダーが指摘した。

　ディフェンシブ銘柄が軟調。食品小売のカルフールが３．２％安。ブリティ

ッシュ・アメリカン・タバコは１．９％下落した。

　＜ユーロ圏債券＞　上昇。経済が依然不安定であることを考慮すると最近の債券安は

行き過ぎとの見方を背景に安値拾いの買いが入った。

　短めの債券がアウトパフォームしたことから、イールドカーブはスティープ化した。欧

州中央銀行（ＥＣＢ）が前週に追加利下げの可能性について言及しなかったことを手がか

りに、短期債はこれまで売りが優勢となっていた。

　独連邦債１０年物

上昇している。しかし、パパデモスＥＣＢ副総裁は必ずしも利上げ予想を反映していない

との認識を示した。

　ＲＢＣキャピタルマーケッツの債券ストラテジスト、リチャード・マクガイア氏は「景

気回復が間近に迫り、各国中銀が年内に政策を正常化するとの見方がやや積極的な見方で

あることに市場は気がつき始めている」と指摘した。

　５月の米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が２０１０年ではなく年内に

も利上げに転じるとの観測が浮上したが、マクガイア氏はこうしたシナリオを見直し、安

値を拾う向きが見られると述べた。

　１５１７ＧＭＴ時点で、独連邦債先物９月限は３７ティック高の１１８．５７。

　金利動向に左右されやすい独連邦債２年物

１．７２１％。同１０年物利回りは５．２ｂｐ低下し３．６３５％だった。

　２・１０年物利回り格差はおよそ２ｂｐ拡大し１９２ｂｐとなった。

　独連邦債は、総額３６億ユーロ規模のオーストリアおよびオランダ国債入札を市場が消

化するなかで上昇。ただ３５０億ドル規模の米３年債入札を控えて上げ幅は限られた。

　スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）が前日に長期ソブリン格付けを引き下げたアイルラ

ンド国債は軟調。アイルランド国債１０年物

差は約２１０ｂｐに拡大した。

　　　　　 　　　　　 　 ［東京　１０日　ロイター］