[ロンドン/ニューデリー/モスクワ 23日 ロイター] - 主要7カ国(G7)が検討中とされる1バレル当たり65─70ドルのロシア産石油価格上限について、複数の業界筋は23日、アジアの買い手が既に支払っている価格におおむね沿った水準であり、ロシアの収入に直ちに影響を及ぼす可能性は低いとの見方を示した。
価格上限は、エネルギー価格高騰を招く石油市場の混乱を回避しつつロシアの戦費調達を防ぐことを目的としている。
今年2月のウクライナ侵攻開始後、インドはロシア産石油輸入で中国に次ぐ2位に浮上したが、業界筋によると、インドの一部精製業者はロシア産の主力油種「ウラル」に対し、北海ブレントから1バレル25─35ドル前後を割り引いた価格を支払っている。
北海ブレントは23日現在、約85ドルで推移していることから、ウラル原油の価格は50─60ドルと推定され、G7が検討している水準を下回る。
これは、ロシアに制裁を科している西側諸国の海運会社や保険会社が制裁を懸念せずにロシア産原油輸送にサービスを提供できることを意味する。
また、ロシアは価格上限を守る買い手への供給を停止するという警告を実行する必要がなくなる。