本日15日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ政府と国際支援団との「チキンゲーム」の動向を警戒しながら、米国の経済指標を見極める展開となる。 アトランタ地区連銀は、米国商務省経済分析局が使用しているものと同様の手法で国内総生産(GDP)を試算する予測モデルを採用しており、1-3月期の国内総生産(GDP)を的中させたが、4-6月期の国内総生産(GDP)は+0.7％と予想している。
現時点での最もタカ派的な見解は、4月と5月の米国の景況感が1−3月の悪天候要因の剥落で回復し、5月の雇用統計も4月同様の改善基調を示し、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが開始されるというシナリオとなる。
最もハト派的な見解は、1-3月期の国内総生産(GDP)確報値がマイナスに転落し、4-6月期も2四半期連続のマイナスに転落してリセッション（景気後退）に陥り、連邦公開市場委員会では利上げではなく量的緩和第4弾の必要性が協議されるというシナリオとなる。
米国4-6月期の国内総生産の算出に使用される4月の「コア小売売上高（自動車、ガソリンスタンドの売上、建材を除く）」は低迷していたものの、4月の「航空機を除いた非国防資本財製造業出荷」は上方修正されており、今後も米国の4月と5月の経済指標を丹念に検証していくことになる。
本日は、4月の鉱工業生産、設備稼働率、5月のNY連銀製造業景気指数、特に雇用関連指数、そしてミシガン大学消費者信頼感指数、特にインフレ見通しに注目することになる。
【今日の欧米市場の予定】 ・17：30 香港・1-3月期域内総生産（前年比予想：+2.1％、10-12月期：+2.2％） ・21：30 米・5月NY連銀製造業景気指数（予想：5.00、4月：-1.19） ・22：15 米・4月鉱工業生産指数（前月比予想：0.0％、3月：-0.6％） ・22：15 米・4月設備稼働率（前月比予想：78.3％、3月：78.4％） ・23：00 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値（予想：96.0、4月：95.9） ・05：00 米・3月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く)（2月：+98億 ドル）